月と星のエンタメ感想ブログ、

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累(かさね)- 最終巻までの感想

1~13巻までの感想。(2/10 追記:14巻の感想を加えました)

テキトーなあらすじ

伝説の女優の娘でありながら醜い容姿をもつ かさね は母が遺した口紅の力を借り、美人と顔を入れ替えて舞台女優への道を歩む。

 

ネタバレありなのでたたみます

 

前にもオペラ座の怪人か何かで話したかもしれないけど、私は顔の美醜に関わる話が大好きなんですよ……!

顔の美しいものと醜いものとが並んだ瞬間何かが始まるのです!

美しいから幸せになるわけじゃないんだけど、大抵は醜いままでは幸せになれないんだよね。

 

私は”咲朱”より”丹沢ニナ”の時のかさねが好きだったし野菊よりはニナが好きだったから7巻以降を読むのが遅くなったんだけど、最近7巻以降を大人買いしまして、次巻がラストと知ったので記事にしてみたのですが。

醜い自分を受容するより美しい者から奪って生きていってほしいと思ったのでどんな結末を迎えるのか不安です……。幾先輩の価値観の押しつけみたいなのが苦手だし、優秀な若手として咲朱の後から出てきたのも焦燥感を煽られるので苦手ですw

これで、かさねが醜いまま最後の舞台に立って舞台を退き、幾先輩が舞台に立ち続けるとしたら、生まれながらに美しい者の一人勝ちですよ!?

幾からは美しさ故の苦しみをニナや野菊からより感じないので余計に……。

みんな苦しめって思いながら読んでいるので……。

私は心が醜いので破滅するときには幾先輩を道連れにしたくてたまりませんが、かさねは、演劇を愛するものとしてなのか、他人の才能を積極的に摘もうとはしないんですよね。幾はこれから先かさねがどうなっても舞台に立ち続けそう。

 

作風からして、かさねが素顔で女優をするとも、それが成功するとも思えない。

あるとしたら素顔で宵の役をして(本番ならメイクって言えそうだし)それが最後の作品になるのかなって想像しているんですけど、安直かな!?

 

悪事はうまくいっているときは本当に面白いんだけど、一旦ほころび始めて追いつめられると途端に見ていられない感じになりますね。

 

私は……雨野さんとかさねがどうにかなったらいいのになって思いながら14巻を心待ちにします。何もないだろうけど。出番もなさそうだけど。

 

(以下追記:14巻読んでの感想)

この作者の最初の連載がこれってまじ……?

スタートからこの結末に至るまでの綻びがまるでなくて、すごく納得のいくラスト。

 

”宵”役不在で一度頓挫した暁の姫ですが、素顔のかさねが”宵”役として戻って(?)きます。

かさねはニナに初めて会った時もセリフをまともに読むことができませんでしたよね。素顔のままでは。

幾先輩は「私もあなたも課題は同じよ」などと言うのですが、この言葉に対してかさねが、自分の役のみに集中しろって言ったのが良かった。かさねは醜さゆえに卑屈だけれど、決してコミュ障ではないんですよね。容姿によって先入観を持たれる以外には、その言葉が誤解されて伝わる事って無い。

 

羽生田の言葉もあり、なんとか役をこなせるようにはなったものの、ニナや咲朱の時に発揮できたような表現力には及ぶ事なく、羽生田もかさね本人も「この程度なの?」と思い始める。周囲の評価も「最初に比べればよくなった」とか「十分本番で通ゆするレベル」とか、その程度。幾が感じたような、上には上がいる感覚とでも言うのでしょうか。その壁にかさねがぶつかった瞬間でした。

そして本番初日を迎え、学芸会のシンデレラ以来初めて素顔で舞台に立つ。

客席に雨野さんの姿を見つけて動揺してしまい、普段以下の演技だったかさね。雨野さんに、もう一度舞台を観に来てくれと言うものの、短い公演期間でもあるし、仕事が入ってると断られてしまう。この時かさねは初めて無様な演技しか見せられなかった悔しさを痛烈に思い知る。

 

この悔しさがバネとなり、羽生田がかさねの物語のために追加したシーンも成功して結局最終日には観客の熱狂を得て幕を閉じます。

これからのことをかさねも見据え、そして羽生田も新しい次の舞台を考え始めているときに、かさねは丹沢紡美によって”殺されて”しまいます。

実際には紡美と永久交換する羽目になって生きてはいるんですけど。

どう言う終わらせ方にするのか、それを紡美の手に委ねたのはかさね自身と野菊ですが、ニナも味わったような自分を奪われて忘れられることの苦しみを罰に選ぶ紡美が、単に憎しみも越えて執念深くて怖い。

 

一筋光明が見えたところで全部終わりにする物語の構成が美しすぎませんか?

罪を償うこともなくただ成功を手にするなんてストーリーとしてはもちろんあり得ないんだけど、かさねにはそうなって欲しかったと思わせられる。

 

単純に面白かったとか好みだと言うところを抜きにしても人生で5本の指に入る漫画でした。この長さで、完結してなお何回も読み返したくなる素晴らしい途中経過とラストの漫画ってそうそう無いと思うんだよね。

私は電子書籍で買ってしまったけど、文庫になってくれたら紙媒体で欲しい。

  

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