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【映画感想】エスケイプ・フロム・トゥモロー - ディズニーでの無許可撮影を敢行した意欲作

隠れミッキーを突いて!

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 (原題:Escape from Tomorrow)

テキトーなあらすじ

バケーションの最終日の朝、家族を連れてディズニーリゾートへ遊びにきていたジムはKYな上司に「事情は話せないけど君はクビ。ソアリンは必見だよ〜」とか言われる。今言わなくて良くない? もちろんジムは妻エミリーにそれを伝えることができない。

 

休みの日に電話してくるだけでも罪なのに相手がディズニーにいるって知ってていきなり朝に解雇通告してくるとか狂気の沙汰では? 本当に頭おかしいのは上司なのでは?

ジャケットからしてディズニーからの脱出劇みたいな、ちょっとパニック要素もあるような感じなのかな〜?ミッキーが襲ってくるとか…… って思ってたら全然違った。

そもそもディズニーで無許可撮影されたがいま現在に至るまで訴えられていないってことしか話題になってないし、これ観た友達が時間を返して欲しいと言っていたくらいなので駄作なんだろうと思って観てたんだけど、何も襲ってこないが静かに狂気が忍び寄ってくる系の、シャイニング味ある映画でした。

私こういうの苦手だし(怖いと言う意味ではホラー映画としては成功なんだと思うしむしろ好きって言うべきかも? シャイニングは素晴らしかったと思うけど怖いので二度は観ない)人が吐いてるの見るのもコーヒーカップみたいにぐるぐる回るもの見るのもライド映像みたいなのも苦手なんだよ。吐きそう。あと白黒なのに怪我とか血とかは生々しい。これがカラーだったらここまでの不気味さは出せないだろうな……。

 

ジムは子供を連れていながらも偶然見かけたフランス人の女の子二人を追いかけたりサラ(娘)と遊んでくれている男の子の母親と浮気する妄想をしたり(この女は上述の「隠れミッキーを突いて!」と言うので笑っちゃう)なかなかに気持ち悪いやつであるものの、そもそも先述の解雇通告と生意気なエリオット(息子)、妻エミリーの冷ややかな態度を思うと少し同情してしまう点もあるにはある。

このエリオットとエミリーの態度は絶妙で、ものすごく険悪な訳ではないけれども若干度を越しているんじゃないかと言う、普通の家族にもあり得るレベルなのがまたうまい。その中でサラだけはジムから見てもひどい態度ではない。

エミリーはジムが買ってくれたプレゼント(ガラス細工の……ネックレス?)を、「私が見ていたのはダンボじゃなくてミニーのだけど」と言い放ちその後「ちゃんとサラに日焼け止め塗ったの!?」と言ったりエリオットをちゃんと見ててよと怒鳴ったり、(ジムが悪いんだけれども)げんなりするようなことを言ってしまう。

エミリーはジムのことを嫌っている訳じゃないんだけど、盛り気味のジムに比べるともう家族の一員でしかないように思える。でもジムからすると煙たがられているように思えるのでしょう。

エリオットはエリオットでバズ・ライトイヤーに乗りたい!と言って「ファストパスを取ろうか?」と言うジムに「いや、並ぶ」と返答する等とにかく「No」が多くて、子供なんてこんなものでしょと思いつつも(クビのこともあるし)これに苛立ちを募らせていくのもわかる。エリオットはジムをバルコニーに置き去りにした後普通にエミリーのベッドに戻ったり、ジムが「助けて」と言っても表情一つ変えずに扉を閉めたり、ジムが死んだ後もけろっとしていたりと、ジムからするとかなり冷酷なように見えている様子。ちなみにこの、エリオットを見た作業員はエリオットの記憶を操作しているのでしょうか? バズに乗れたかのような記憶を植え付ける。多分。そしてバズのピンズを付けてくれる。この辺りがディズニー側がまさにしそうなサービスであるのも面白い。

 

最後にジムは毛玉を吐いて、猫みたいな目を見開いて死ぬ。多分、猫インフルエンザで(フランス人の女の子に吐きかけられた唾からの飛沫感染?)。

でも明日から無職であると言う現実から逃れる(escape from tomorrow)ためには死しかない訳で(もちろん就職活動すればいいんだよ!!)自殺とする考察サイトが多いのも頷ける。

 

エプコットの球体に閉じ込められるシーンとか猫インフルエンザが流行っていると言う救護室のナースがいきなり泣き出すところとか謎なシーンも多いけれども、ホラー映画としては及第点の作品だと思った、個人的には。

アトラクションチョイスも白雪姫と七人の小人とか、ハニハンではズオウのシーンとか、チョイスが不気味さを連想させるものになっている。そして冒頭のビッグサンダーマウンテンの主観的なライド映像、この映画がホラーだと考えると、シャイニングのあのシーンに似ていると思いませんか……あの、ダニーがおもちゃの車に乗って次々とホテルの回廊の角を曲がっていくシーン。曲がるたびに何かに遭遇してしまうんじゃないかと言うあの不安。

舞台が誰もが知るディズニーだからこそ、次行ったら思い出してしまうかもしれない。でも幸か不幸か日本のディズニーじゃないからな……。一番目立ってるのエプコットのスペースシップ・アースだからな……。

 

ソアリンは日本でも2019年7月23日にオープンらしいよ!

裸の女とかは出てきませんのでご心配なく。回転率良さそうだし、オープンからしばらく経ったら空きそうな気がしてならない。

 

なんでこれがディズニーに訴えられずに済んでいるのか不思議だけれども、なんとなくディズニーキャラクターのイメージを損ねる真似をしていないからかな、と思った。プリンセスが娼婦だとか言うシーンはあるけれども、ミッキーやミニーやらのキャラクターに言及したりもちろんミッキーがマズイ顔になるような幻覚も見ない。

ディズニーは1作目のキングダムハーツでもミッキーを出し渋ったと言う話があるくらいなので、もし作中でミッキーが襲ってきてたりしたら普通に訴えられると思うんだよね……。

 

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