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【映画感想】シンプルフェイバー - ファッショナブルな映像のスリラー

Brother Fucker!!

私が飛行機の中で2回観た神映画。

日本では3月8日公開です!もうすぐだね!!

 

(原題:A Simple Favor)

テキトーなあらすじ

シングルマザーでブロガーのステファニー(アナ・ケンドリック)はママ友であるキャリアウーマンのエミリー(ブレイク・ライヴリー)と秘密を打ち明け合うような親友になる。ある日、仕事のトラブルでエミリーのかわりに子供を引き取ったステファニーだが、それからエミリーが帰ってこなくなる。行方不明のエミリーを探すステファニー。行方を探すうち、ステファニーはエミリーの本当の秘密に触れる。

 

試写で観た人の感想なんかがTwitterで見ることもできますが、どうやら同時に行われたトンチンカンなトークショーのせいで感想を誘導されているような人もいるようなので、言わせてください。

女同士の騙し合いとか、女は怖い的なのを想像すると95%肩すかし。

残り5%は、まあ一部騙し合い要素もなくはないので、うん。

ところで件のトークショーではこの二人のマウンティング合戦なんて言葉で表現されたようで、それに関しては本当に観たのか?って聞きたくなっちゃうほど的外れ。多分ちょっと家が苦しいシングルマザーと小説家の夫を持って広い家に住むバリキャリ女性がママ友という設定だけ見て反射的にそう思ったのかもしれないけど、一切そんな要素ないので。

これ以上言うとネタバレしそうなのでたたみます!!追記はネタバレ。

 

あ、あと、あらすじ見て連想した人いるだろうけど、ゴーン・ガールぽさはある。

ブレイクかアナか、どちらか好きなら絶対楽しめる!

 

 

 

騙し合いっていうのは最後の最後で確かにそういうシーンがあるんだけど、ステファニーがエミリーを”騙す”シーンなんていうのはそこだけ。

エミリーとステファニーは本当に親友ではあったのよ。もちろんエミリーはステファニーに本当のことなんてほとんど話さなかったし嘘ばかりついたけど。

ステファニーはエミリーの失踪で、親友だと思っていたエミリーが、自分に見せてくれた姿が本当にほんの一部でしかないことを知るし、ついた嘘のことも知るし、”親友の本当の姿”を探す。

これは、本当に奇妙なことだけど友情の話なんだよね。ステファニーはエミリーの罪を暴くし結局逮捕に協力するけど、根底にある動機というのは母としての連帯に近い友情だと思う。それと同時に、夫と兄が死んだのは自分のせいだと思ってるから、もう自分の知らないところで事態が動いて取り返しのつかないことになるのが嫌だったのかな、という気もするし。ここはわからん。

エミリーとしては、ステファニーがここまでして自分を探すと思っていなかった。でも、自分の計画を台無しにされても、エミリーはステファニーのことを心から親友だと思ってたと思う。実際親友だとは言ってるし(嘘ばかりついているから言葉はあまり信用ならないけど)、ショーンと同じように、エミリーにとっては本当に好きでも利用するしないはまた別の話。でもニッキーのことは本当に純粋に大切にしているだろうとも思うシーンがいくつもある。

 

ジャンルはスリラーなんだけど、ちょっとホラーちっくなシーンもある。

エミリーがいなくなり、エミリーを探し、死体が発見されたあと、ステファニーはエミリーの夫であるショーンと付き合い、エミリーの家に引っ越す。

ステファニーはエミリーのクローゼットを片付け、自分のものを持ち込もうとするんだけど、綺麗に片付けたはずのクローゼットに、エミリーのものがずらっと並んでいる。ここがちょっとホラーなシーン。

その後も子供がエミリーの目撃情報を話したり、「ママから」と言って運転中に封筒を渡してきたり、ステファニーにもエミリーから電話がかかってきたりする。

エミリーがこういった行動をしないで本当におとなしくしていられれば保険金詐欺が成功したと思うんだけど、エミリーって我慢できない性分なんでしょうね。

指輪が欲しいから盗む、子供に会いたいから会いに来る。

ショーンに罪を着せるためなら自作自演の傷も作るし。

 

そして最後、ショーンが釈放されたあと家に帰るとエミリーがいる。この時着ているドレスがキービジュアルのドレス。すごく似合ってる。

ステファニーがショーンを撃つ演技をし、エミリーに罪の告白をさせようと試みるけど、盗聴器は既に壊され、待機しているはずの警察も追い払われていて、エミリーが拳銃を手にして形成逆転。

エミリーはショーンを撃ち、ステファニーのことも撃とうとする。

ステファニーはカーデガンのボタンに小型のカメラをつけていて、エミリーの一連の行動を実況していた。

それを見て逃げるエミリー。

エミリーを追いかけるステファニー。道路で再びステファニーに銃を向けるも、エミリーに警察を差し向けらたご近所さんが車でエミリーをはねる。

これまでの緊張感を裂くような、唐突すぎるとも言える幕切れがよかった。

はねられてなお逃げようとするエミリーだが、警察に捕まってしまう。刑務所に順応していることが描かれてるけど。こういう人はどこへ行ってもやっていけて、根は変わらないんだろうなあ。

 

冷静にみてるとエミリーってかなりアブない人間なんだけど、それでもとても魅力的で、隠されていた一面がわかってからも(画策した保険金詐欺のことがわかってからも)ショーンがエミリーを愛してるっていうのすごく良く分かる。

ゴシップガールの頃からそうだけどブレイクライヴリーって存在感がすごい。

そして彼女の笑顔には引き込まれるし、彼女を怒らせてしまったらとってもマズイ感じがする。だから結局ブレアはセリーナに敵わないと思う場面が何度もあったわけだし。

脚本とかじゃなく、存在に説得力がある。

根っから女優って感じ。

かっこいいしおしゃれだし……。

 

ゴーン・ガールっぽさあると言ったけど、最初からちょっと薄暗い雰囲気で撮られているあれと違って、こちらは明るく、鮮やかな色合いで撮影されていて、画面の印象からスリラーって感じがしない。ポップな音楽も相まってスタイリッシュ。

音楽の使い所もうまい!エンディングの曲とか好き。

 

女は怖い 的なの想像すると肩透かしって書いたけど、ゴーンガールでも「女は怖い」って書いてる人がいたのでどうかな。多分そういう人にはシンプルフェイバーも同じように映ると思う。

なんとなくこういう感想見るとソシオパスはみんな女だと思ってるのかなぁと思ってしまう。

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