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【映画感想】人生の動かし方 - 最強のふたりを観ればいい

amazon prime独占配信映画。

アメリカでは劇場公開だったみたいだけど、日本で観れるのはここだけに。

 

(原題:The Upside)

テキトーなあらすじ

最強のふたり

 

2011年に公開され大ヒットを記録したフランス映画「最強のふたり」のリメイク版。

2011年中にはハリウッドがリメイク権を獲得したニュースを知っていたが……

リメイクする必要、あったか???

 

昔の作品ならともかく、まだ10年も経っていないような映画だから、「最強のふたり」はまだまだ全然色あせていない。

しかも、舞台こそアメリカで登場人物の設定も少しは変わっているものの、たどるストーリーは一緒。それなのに説明くささも加わり魅力を損なっている。

リメイク作品がオリジナルを超えるのは難しいと思う。時間が経っていなければなおさら。やるなら、もっと思い切ってオリジナルから逸脱する展開を作っても良かったかもしれない。もちろん大ヒットしたオリジナルだから、そこから大きく変えないのが安牌だと思ったのかもしれないし、多分その判断は間違ってないんだけど、変更された部分がな……。

 

まず最初のシーンは、Septemberに合わせてこれから始まるドラマを予感させてくれるものだったが、今作にはそれもない。 

でもラストまでは、「意外とありかもな」と思いながら観てた。

そもそもが「最強のふたりを超えているわけないだろうけど、どれ観てやりますか」的な気持ちで観始めたものなので、見る目は厳しい。

それでもありだと感じたのだから、最強のふたりを観たことがない人ならこれも十二分に面白いと感じると思う。大体ストーリーほぼ一緒だし

 

ラストで「これはちょっとな」と思うのはフィリップの相手。

最強のふたり」では文通相手のエレノアに会う前にフィリップは逃げ出す。

彼は自分の半身が不随だということを彼女に知られることを恐れ、耐え切れなくて逃げ出した。そして、その彼の判断をリカバーするのはドリス。

「人生の動かし方」では、文通相手のリリーが失礼なことを言うので我慢ならずフィリップはレストランを去る。いや、こういうことじゃないんだよね……なんだこの女……。

説明くさいと言ったのはまさにここで、この変更は、映画の冒頭からずっと出ていてフィリップの近くにいる女性であったイヴォンヌが相手でなければ、文脈上不自然なように観客に思われると制作側が判断した結果なんじゃないかと思うわけ。

その、人生を共にする女性と出会うのに、それ相応の必然性がなければドラマじゃないとでも言いたげなこの脚本が気に入らない。

もちろん私にもその気持ちは理解できる。それが物語なら、そうあるべきかもしれない。でもこれは実話を元にしている。人生は続いているだけでドラマなんだよ……! って感じなのが”フランス映画だ”って感じで良かったのに。あらゆる結末に理由をつけなきゃ気が済まんのか??

 

 

あとドリスの放つ際どいジョークは全般無くなっている。

デルがユーモアのない人物になっているとまでは言わないけど、なんか普通の人だな、って感じ。

最強のふたり」だとドリスはただ息子の一人でしかなくて、家族の直面する問題に多く干渉できるわけではない。でも「人生の動かし方」では、父親だからその影響力が大きい。アメリカは解決されていない問題を残せない体質なんだろうか。

人が変えられることなんてそんなに多くないと思うし、オリジナルにあったあの影響力くらいがちょうどいいんだよと言いたい。

オリジナルにはあったフィリップの娘の話とかも面白かったのに。

 

そして最後に謎拍手。

なんだこれ……なんだこの拍手……誰がしてる拍手なんだよ……ゾッとするわ……

 

 

何度も言うけど、別にこの作品単体で見れば全然悪くないですよ、むしろありだと思うよ。でもオリジナルの方がずっといい。

アメリカ映画の、全部まるっと解決!!って言う力技も好きだし、全部説明してくれるのも異なる文化圏の人が多く住んでいるアメリカでは受け入れられやすい方法なのかな、とは思うんだけど、でもそれをこの作品でやらないでくれって思った。

 

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