これ公開劇場数が少ないんだよね〜〜
私も行ったことない劇場まで行った。できればTOHOシネマズで観たいのに。
(原題:American Animals)
テキトーなあらすじ
大学生4人が刺激を求めて図書館に所蔵されている貴重な本を盗む計画を立てる
う〜〜〜〜〜ん……
期待とかなり異なる映画だったことは間違いない。
公式サイトに載っている文言、
「『オーシャンズ11』のような実話」(どこを見てそう思った??)
「予想できない結末」(もしかして最後のウォーレンの発言を指してそう言っているのだとしたら、あれに予想された結末を覆すほどの力はないと思うけど)
などとそして書いてあるけどどれも「そうかな?」って思うような内容だし、この映画に対して他のエンタメ色の強い犯罪映画を引き合いに出すのは間違っていると思った。
犯人たちが犯行計画を練る時にオーシャンズ11やレザボア・ドッグス、現金に体を張れを観ていることだけ示される(作中でしっかり観てるのは現金に体を張れだけ)ものの、そこが生かされるのは詳細な見取り図が必要ってところくらい。あとコードネームで呼び合うとか。
ちょっと面白いのは、やっぱりミスター・ピンクってつけられるのは抵抗があるというレザボア・ドッグスとの共通点や、レザボア・ドッグスでは避けられたミスター・イエロー、人気すぎて不採用になったと言うミスター・ブラックがいるという相違点かな。
こうして実在の事件として映画で扱われる以上、最終的に捕まるのは予想がつくんだけど、公式サイトの雰囲気と宣伝の仕方から言ってもっと爽快エンタメ寄りのつくりだと思っていたし、老人に扮しての強盗が実行されるものだと思っていた。
でも、最初の計画がうまくいかず、結局ずさんな強盗計画を実行してしまう点はリアルだとも思う。彼らにここでもう一度時季を待つなんてことはできない。
スペンサーが途中で辞めると言い出したり、司書を傷つけたことにエリックが動揺したり、最後FBIに捕まるまでの4人の心の揺らぎは越えてはいけない一線を越えた”普通の人”の心理として想像に難くない点が共感を呼んでいるのかな、と思った。
人を殺す夢を見た時、何を考えているか? って、雑談の一環で聞いていたことがあるんだけど、最近この話題で面白かったのが、人を殺した後に取るアクションがいつも同じだという人が多いこと。
私もそうなんだけど。
赤の他人をうっかり殺した後、解体しなきゃと風呂場に引きずっていくんだけど、この映画はその時の後悔をリアルに思い出させるんだよね……そして目が覚めたら夢でよかったと思う。
このとてつもない後悔を伴っていることを感じさせる映像と緊張を高める音楽は本当に良かった。
スペンサーが最初にあの本の話をウォーレンにしたのは、彼だけがフラミンゴの姿を見たことも、今鳥類専門のアーティストであるということも踏まえると、あの本の価値ではなく絵に魅せられていたからだと思う。そこを、フラミンゴを見るっていう映像で表しているのが良かった。一番印象に残っているのはそのシーンかもしれない。
額面の価値ではなく、魅了されたから手を出そうっていう考えを実行に移す人は強盗でもあまりいないんじゃないかな。それをお金に換えることは、価値を貶めることになる。やろうって言い出したのはウォーレンだから、彼が言わなきゃ何もなかったのかもしれない。
実際の犯人がナレーションしたり、振り返る場面が挿入されていたのが微妙だった。
この実際の犯人が出るというのはセールスポイントの一つだったんだろうけど。
最近だとアイ、トーニャでもインタビューを挟む手法(実際の人物ではないにしろ)が使われていたけど、事件後のインタビューを挟むという行為によって何を言おうとどんな態度を取ろうと、当事者たちにとって事件は「カメラの前に姿をあらわせられるくらい過去を客観視する段階にきてる」わけでしょう。それを観客に見せるのは、観客が映画に入り込んだり登場人物の当時の心情を慮ったりするのを阻害していると思う。