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【映画感想】パラサイト 半地下の家族 - 何も考えずに観ても、脚本が面白い

観てよかった〜〜!!

 

アジア映画、派手なアクションとかスペクタクル系は及ばずとも、こういう生々しくも透明感があってひりつく緊張感を描き出したら洋画を凌駕していると思うんだよね……この感性って自分が日本人だからなのかな……アジアの感性なのかな……。

 

テキトーなあらすじ

半地下と呼ばれる居住形態に暮らし、内職で小銭を稼ぐ日々の一家。ある日息子は友人が留学するため、彼がしていた家庭教師の後任を頼まれる。

 

以下ネタバレ

 

 

私はネタバレなし用語解説みたいなの読んでいったんですが、読んでよかった。

読んでなくても通じるけど、読み取れるものが異なってくると思う。

台湾カステラの話、私は全く知らなかったから。

これを知らなければ、単にブームが去った店のオーナーが偶然二人いたという認識だけに終わっていたかもしれない。この台湾カステラの話、なんの落ち度もないのにデマによって急激にブームが終わり、デマだと判明した頃には既に大衆の関心がなくなっているというこの理不尽さをもろに現実で受けた人が当時の韓国にはいたんだと思うと生々しいよね。個人的には一番闇を感じるのはこの話と、ケビン(本名忘れた)が入隊前と除隊後のそれぞれ2回受験に失敗しているっていう話かな。想像しただけで鳥肌。

 

あとこれは考察で読んだんだけど、地下にあった資格系の本たち。韓国では司法系の資格が強いが、年を重ねても合格できず就職口を見つけられない人が多いんだって。努力しても報われることがない不条理……。日本人的にはある程度のところで諦めをつけないとと思ってしまうけれども、韓国の受験・就職戦争ってマジで熾烈そうだもんね。

諦めたところで、暮らしが難しいのは変わらないのだろうな。

 

ところでジェシカ(本名忘れた)がなんというか、ハッとする感じの美人だったね。

いや、「美」っていう一点においては奥様の方が優っていたんだけど、こう……顔の造形とかではなく、空気感……。雰囲気のある人だなって思った。

 

これ、ジェシカが二人に食事を分けに行けていたら何か変わっていたんでしょうか。

それとも地下の夫婦は何を言っても聞く耳持たなかったかな。

そもそもあの時旧家政婦はまだ生きていたっけ?

 

最初はコメディで美しい音楽と家、生活の魅せ方で引き込まれるけど、終盤この家族の行く末を固唾を呑んで見守りながら「どうしたらうまくいったのかな」って考えてしまった。金持ち一家の不在中に家政婦を家に上げなければよかったのかもしれない。

あそこで門前払いをしてもよかったと思うの。家主の不在中に、いかに昔の家政婦だからって他人を家に上げることを拒否するのは不自然じゃないと思う。そうすればいずれ地下の男は死んだだろうし。

でもそれでもどこかで別の綻びというのはあったかな。

貧困は、嘘で塗り固めていても染み出してきていたわけだし。

 

半地下という居住形態について、言葉では知ってはいたけど(韓国の芸能人が「半地下に暮らしていた時云々」という発言をして聞いたことがあった)、自分で調べなかったし、注釈もなかったので勝手に「下町」的な言葉だと思っていた。

まさに半地下、その言葉通りの居住形態なのね……。

その芸能人は今や高級マンションに住んでいるわけなので、これを観た時「あ、これか、こういうことか、昔貧しかった時はこういうところで生活していたのか……」と、普段は言葉でしか語られないような時代のことが急に生々しく思えた。まあ彼は成功して半地下から抜け出せたのだからいいけれども、他の大多数の人は半地下の暮らしから抜け出そうにも抜け出せないのだろうな……。

 

 

…………っていうか私マジで登場人物の名前覚えていないわ。

 

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