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【映画感想】ブラック・ミラー:バンダースナッチ - この題材だからこそ面白いインタラクティブ映画

配信だからこそできる、視聴者が展開を選択する映画。

イマーシブシアターとかに代表されるように、最近のトレンドは消費者に選択の余地を与えることなのだろうか。

 

スマホタブレットで観るのが楽。選択肢タップするだけだから。

 

(原題:BLACK MIRROR:Bandersnatch)

テキトーなあらすじ

ステファンはバンダースナッチという小説のゲーム化を試みる。小説バンダースナッチの作者ジェローム・F・デイヴィスは、次第に自分の意思が何者かによって操られているような感覚に陥ったというが……。

 

おそらく多くの人がちゃんとしたエンディングにたどり着くまでにたくさんのバッドエンドを経験して、前の選択肢に戻ることになると思う。

この何度も戻ってゲームの完成度を上げていく(最初のバッドエンド?では0点と評価されるけど、次にバッドエンドになった時には2.5点に上がっている)感覚、ループものにも近い。

というか最初のゲーム会社のオファーを、まず受けないなんていう人がいるのかな。

でもここ、受けない選択をして、ただ単に巻き戻るのではなく、巻き戻った後の展開(セリフ)が若干違う。そこでもしつこく間違った選択肢を選んだら、1巡目の展開に戻ったけど……。一度経験した世界であることをなんとなくコリンが認識しているところとか、面白いと思う。

そもそもこっちを選んだらその先でどっちを選んでもバッドエンドなのでは? っていう選択肢があったり、一見何の関係もないように思える選択肢もあったり。

 

ステファンは小説の作者ジェロームのドキュメンタリーに触れ、ジェロームが取り憑かれていた陰謀論や自分の意思を操作される感覚、それによって起こしてしまった殺人のことを知り、自分もその行動が自由意志ではなく、何者かに操られて起こしている行動なのではないかと思うようになる。その末、父親を殺害するという、ジェロームのような行動を起こす。まあ私たちが選ぶわけだけど。”父親を殺す”という選択肢を。

この後埋めるかバラバラにするかで話は変わってくるのですが、埋めて、家にきたタッカー社長を殺すとステファンが逮捕され、塀の中での様子が映り、そこでステファンが凸見たいなマークを壁に描いている(ジェロームのドキュメンタリーにあったように)エンディングが好き。ちなみにバラバラにするのが正しい(?)。

 

それと同時にステファンがバンダースナッチを高い完成度で完成させることができたのは、『選ばせているようで実際には作り手の思う通りに導く』という方法で消費メモリを削減できたからなのだが、”間違った選択をすれば物語は終わる”世界において、結局彼がバンダースナッチを完成させ、それが世に出るもののステファンは父親殺害が明るみに出て逮捕されてゲームは回収……それを動画配信プラットフォームで蘇らせようとする人物が現れました!っていう正しいエンディングに我々も導かれている。この何重にも渡って操作されている感、面白いな〜。

でもこういう形式の物語だからこそこの映画が面白いのであって、インタラクティブ映画を別ジャンルでやったらどうなのかなという気もした。それはそれで面白いのか、単に面倒なだけなのか……。

 

これがゲームみたいな映画だとしたら映画みたいなゲームはDetroit:Become humanだと思う。

 

entamestar.hatenablog.com

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