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【映画感想】リップヴァンウィンクルの花嫁 - ねこかんむり……ねこかぶり……

邦画月間。

なかなかに長い作品で「リップヴァンウィンクル」を称する真白が出てくるまでがそもそも長い。

 

テキトーなあらすじ

七海(黒木華)はネットで知り合った男性と結婚するが、義母の雇った別れさせ屋により離婚することになる。臨時教員の仕事が更新されなかった七海は、安室(綾野剛)からの紹介で月給100万円の住み込みメイドの仕事をすることになるが……

 

話の肝がどこだかわかってないからこういうあらすじを書く羽目になる↑

 

 

七海が使っているSNSTwitter的なやつかと思いきや「ブログ」であるらしいので、おそらくミニブログ的なSNSと思われる。

そこで七海はクラムボンというHNでやっており、そこに「結婚式に出席する私側の親族が少なくて見栄えが悪い」と呟いたところ、「ああいうのって結構偽物らしいよ、紹介します」というリプ(?)がランバラルからつく。そのランバラルから紹介されたなんでも屋的な安室と知り合い、結婚式に代理出席する親族を集めてもらい、夫の浮気調査もお願いし、仕事がなくなったから自分もまた結婚式に代理出席するバイトをし、家の世話(住み込みメイドの紹介)をしてもらう。

安室がこんなに七海の世話を焼くことを安室は「ランバラルの友人ですから」というけど、そもそもランバラルは安室だし、七海がランバラルとSNS上で仲良かった描写もない(というかフォロワーなのだろうか?いまいち作中SNSの仕様がよくわからないけどそもそも親しい描写はない)ので、それを聞いてランバラルさんとどういう知り合いなのか、七海は気にならないのかな……と不思議に思ったた。

安室を動かす原動力って金なんだろうなと思うんだけど、ラストシーンの裸になって泣く場面、誰に対するどういう罪悪感からなのと思ってしまって、安室のことが最後までよくわからなかった。最後まで誰からも謗られず不信感を抱かれることもないまま終われる器用さがあるのに、あのシーンだけ……なんでだろう。

 

安室は真白の依頼である「一緒に死んでくれる人」候補として七海を自然に誘導したということだよね。どうやって義母に別れさせ屋を紹介できたのかはわからないけど。

なんとなく一番最初の七海の投稿、「手軽に恋人が手に入った」というやつ、あれを見て真白と合いそうだと感じたのかな。真白だって一緒に死ぬのが誰でもいいわけではないでしょうしね。

 

七海は人とのつながりが希薄な人間なのかなと思ったけど、最後カレンに「東京を案内してあげる」みたいなことを言っていたじゃん

あれ最初だったら絶対そんなこと言わないよね……。

何歳だよって感じだけど、相手のいうことハイハイ聞いてるだけじゃなくて提案する姿に真白との交流を通して成長した七海の姿を見ることもできたスッキリとしたラストでよかった、かも。

 

結婚式の代理出席で親族を演じた者同士がみんな他人なのに仲良くなり、葬儀でまた家族を演じるのがよかった。彼らは皆「本当の自分ではない誰か」を演じる方が楽で、「こういう役割」を与えられているからその通り振る舞えるタイプの人たちなんだろうね。本当に自分のことを何も知らない相手になら、何の先入観も抱かせない状態で相手に自己を見せられる。そこそこには親しくなれるけど、「見せたい自分」を逸脱した部分まで相手が見始めたら急速に破綻しそうな関係にも見える……。

 

黒木華自身の焦燥感のなさというか現実味のなさというか、日常を生きているとは思えないほどのスローさがこの映画の非現実感に一役買ってて非常によかった。

 

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