大人からくまさんを奪うなんてひどいやつだ!
(原題:Christopher Robin)
テキトーなあらすじ
クリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は寄宿学校入学を機に100エーカーの森を離れる。大人になったクリストファーは家族との時間もとれないほど仕事に忙殺されていた。その頃100エーカーの森では何が起こったのかプーだけが仲間とはぐれてしまいロンドンに迷い込む。
ロンドンの駅の雰囲気とか汽車とか、この時代の進みすぎてないけど技術の転換期みたいなところが大好きなんだよね……。
あとクリストファーロビンも戦争に行ったりするのか……と思うと少し不思議な気持ち。マデリンにとってお父さんとは、小さい頃は戦争に行き、今は仕事でなかなか一緒に過ごせない、そして近いうち自分は寄宿舎に入れられる。そう考えると「家族なのに遠い」存在。
週末家族でコテージで過ごす約束をするも、会社の旅行鞄部門の業績が低迷し、打開策を上司から言い渡される。コストの削減のためにはリストラもしなければいけない……。週明けの会議で話すコストの削減案をあれこれ考えるため週末返上で仕事をするはめに。「僕もこの週末は仕事だよ」などと上司に言われるが、この上司は週末ゴルフをしていたことが判明する。
「何もしなければ何かは生まれないんだ」
上司に言われた言葉をそのままマデリンに言うクリストファー。
お前小さい頃は「何もしないことが最高の何かに繋がる」って言ってたじゃん!
コテージには妻イヴリンとマデリンだけが向かうことに。イヴリンには「人生は目の前にある。この週末があなたの人生なのよ。仕事をしているから、あなたのことを好きになったんじゃない」と言われる。好き。
そして週末。
仕事帰り、執拗に遊びに誘ってくる隣人から隠れて公園に入ったところ、ロンドンになぜか来てしまったプーに会う。
何年も経ってる目の前のオッサンに向かって「クリストファーロビン!」って即座に言えるプーがすごい。他の仲間たちは主張してもズオウと戦うまで信じてくれなかったのに……これが絆か……。
とりあえずプーを自宅に匿うクリストファー。プーははちみつの瓶を転がし、それを踏んだ足で邸内を歩く。その後を拭きながら追うクリストファー。子育てみたいだ……。
翌朝、プーが何かをひっくり返す音で目が覚める。
キッチンに行っておとなしくしててくれと言うが、プーが転がした瓶が他のものに当たり棚から皿が次々落ちることに。それを見たクリストファーは一刻も早くプーを100エーカーの森に帰すと決意する。汽車を使ってサセックスへ向かう二人。汽車の中でも仕事をするクリストファーだが、プーは「見えたものを次々言うゲーム」をしてクリストファーの気を散らす。気持ちは分かるけど昔は遊んでたのに邪険にしたらかわいそうだよう
そんなこんなで二人はプーが元いた場所、”霧の立ち込める100エーカーの森”にたどり着いた。が、相変わらずほかのみんながいない。ふたりは他のみんなを探してまっすぐに歩くが、プーがコンパスを見ていなかったので同じところをぐるぐる回るはめに。それがきっかけでクリストファーはついにプーにキレてしまう。突然いなくなったプーを探してクリストファーは一人森をうろつくものの、落とし穴に落ちてしまう。そこへ雨が降ってきて……。
雨あがりに落とし穴から抜け出してみると、霧は晴れている。
なぜ霧の中で仲間たちが見つからなかったのか謎だ……。
森を歩いているとイーヨーが河に流されているのを発見。その後他の仲間も発見。みんなズオウを恐れて隠れていた。
名乗ってもみんなクリストファーロビンだと信じてくれないので、クリストファーはイーヨーを証人に、ズオウと戦うはめに。その様子をラビットが聞いて、やっと信じてもらえた。その後無事プーを見つけ、大事な会議のために帰る。
しかしティガーが気を利かせて、大切なものを運ぶ鞄の中に、「書類より大切なもの」が入れられていた。
プーは、クリストファーはその書類がないとヒイタチに食べられてしまうと説明していた。お陰でプーたちはクリストファーに書類を届けにまたロンドンへ向かうことに。
道中、プーたちはマデリンに出会う。クリストファーの絵を見てプーのことを知っていたマデリンは、プーたちとともに書類を届けるためロンドンへ向かう。
もちろん小さな女の子がぬいぐるみを両手いっぱいに抱えていてもおかしくないしそれどころかかわいい。マデリンはこの書類を届けたら、自分を寄宿舎へやるのをお父さんが考え直すかもしれないという。
マデリンがいないことに気づいたイヴリンもマデリンを追いロンドンへ。まずはクリストファーの勤める会社へ向かう。そこではまさに会議の真っ最中、クリストファーが解決策を拾うしようとして開けた鞄の中の枝やイーヨーのしっぽ等を発見し呆然としていたところだった。
イヴリンと一緒にロンドン駅から会社の間を探す途中、クリストファーは「マデリンは一人じゃないだろう」と言って森の仲間たちの話をするが、「空想でしょ!?」と言われる。
二人がマデリンを見つけた時、マデリンはプーと一緒に階段に座り込んでいた。
マデリンは書類をぶちまけてなくしてしまったことを話すが、クリストファーは「そんなものどうでもいいよ!君が無事でよかった」と言う。別にプーたちと会ってなくてもマデリンにはそう言ったと思うけど……。
ここでクリストファーはマデリンの寄宿舎行きを取りやめる。
マデリンが辛うじて掴んでいた書類の切れ端から部門縮小を避ける解決策も閃いてめでたしめでたし。碌でもない上司だったけどその上司の父が話の分かる人でよかったね。会議中に上司が週末は遊んでいたことも皆の知るところとなり、スッキリ!
クリストファーは旅行鞄のターゲットをこれまでの富裕層オンリーから、従業員に有給休暇を与えることで庶民にも広げることを提案。
マデリン、イヴリンと森の仲間たちと一緒に100エーカーの森で過ごすのだった。
なんかうっかり全部の話書いちゃったよ。
見て分かる通り、クリストファーとプーの話というよりはプーのお陰で家族仲が改善する話。しかも私は勘違いしてたんだけどクリストファーがプーに唆されて仕事辞める話じゃなかったし、プーは仕事を辞めるように唆してなどきませんでした!本人も言ってた通りプーはプーであっただけだった。特に何もしてない……。
クリストファーは自分が小さい頃何が嫌だったか、何をしたいと思って日々動強いていたのか忘れてしまっている。だからマデリンには「お父さんにも子供の頃があったなんて信じられない」とか言われてしまう。でも、クリストファーはただ空回り気味で、マデリンが本当に父には何をしてほしいのか理解していないというだけで、マデリンのことを大切に思っているのは最初から一貫してずっと同じ。
ただ人生は今目の前にあって、将来いい仕事に就くために寄宿舎に行くことがマデリンにとっていいことではないと最終的には思えた。
マデリン良かったね~~!
きっと現実にも、「小さい頃辛い思いしていい学校に入ったからこそ今いい仕事に就けている」と思ってしまってる大人は多いだろうね~。実際にはいい学校に入らなかったパターンの人生など知る由もないので、幼い頃の辛かったことには理由があったんだと自分が思いたいだけなんだけど。
クリストファーが、駅でプーに振り回されながらも、森で一緒に仲間を探してあげたり、扉の前でプーを放り出すこともできたのに結局追いかけるところとか、なんだかんだ言っても付き合いのいいところが好き。
ここでプーが言う「待っているとどこかの方から来てくれる」みたいなセリフいいよね。あとどこで言ったか忘れちゃったけど、クリストファーに向かって「壊れてないよ。ちょっとしわになってるけど」って言うのも好き……
映画公開前にビジュアル見たときはなかなか衝撃的でしたが、アニメ寄りの超黄色いプーより、クラシック寄りの薄汚れたプーの方が、置き去りにした子供時代という哀愁があって雰囲気には合ってるかもしれないと思えた。
最近ディズニーの実写化ラッシュはシンデレラや美女と野獣等、煌びやかな画面で「ほうら素敵でしょ?ドレスに魔法、派手!派手!派手!」って感じだったので(くるみ割り人形からも同じ匂いがする)、プーはシンプルな画面でストーリーに入り込める良映画だった。
ファンタビもだけど、この時代の急発展してる街の空気がほんとに好きだ~!
ファンタビが待ち遠しいね……。
この映画で、プーがクリストファーに言った金言の数々、幼い頃の話等はこの映画を下敷きにしているらしい。
私も観ようかな。あまりディズニーのアニメ(CGじゃないやつ)って観たことないんだよね……。