観てきたよ。
バットマンの知識ほとんどないしきちんと観たのバートンバッツだけだし後の知識はGOTHAM由来でバッドマンビギンズは30分で挫折した人間なんだけど、まあなんらかのバットマンを観たことがあれば全然余裕で話通じるし観たことなければwikiでも見とけば十分だし何ならまあ敵サイドの人なんだとだけわかっていれば十分楽しめると思う。
本当に事前の知識はまるでいらないし全然アメコミ的な映画じゃないんだけど、それでもアメコミに全く親しみのない人間には勧めづらい。
あと子供に見せないでくださいって言われているけど、観ても多分面白くないと思うよ……
かっこいいアクションシーンとかないから。
テキトーなあらすじ感想
治安悪い都市の代名詞的な存在であるゴッサムシティですが本ッッッッ気で治安悪いな?!と思えたのは今作が初めて
以下ネタバレあり
Twitterとか見てると「まあ面白いけどジョーカーでやる必要なくない?」みたいな感想が散見されるので言いたいんだけど、観客全員がアーサーの末路を知っている状態でスタートするからこそ、意味があるんじゃないかな……。
アーサー(ホアキン・フェニックス)を追い詰めていくのは町の人々の不寛容であったり無関心であったり、無理解であったり、決定的な何かではないけれどもじわじわと募らせていく社会との断絶感。
決定打は失業だったけど、あの失業は唯一の社会との繋がりを失わせるものだったしね。
治安悪いなって思ったのまさにここなんだけど、地下鉄で、仮にも大企業に勤めるエリートが3人も揃って女性に絡んでいたじゃないですか。この人たちゴロツキとかじゃないからね。もう殺した時スカッとしたし「もっと苦しめてから殺してほしかった」とまで思ったくらい徹底的にクズ。
そして逃走の後、トイレで踊るアーサーの姿がセクシーだった……
ここに限らずアーサーが踊っているところなんかやたら美しい。
音楽もすごく良いし(Spotifyでサントラ配信されています〜)
他の人の感想やアメリカで公開された時のニュース(影響力や懸念等)を見ていたら、ジョーカーという犯罪者を同情的に描いているだとか、誰もがジョーカーになりうるだとか、そういう文言を頻繁に目にしたんだけど、そこまでジョーカーに感情移入しやすいようには撮られていないと思った。
多分これまでのヴィラン映画って(スースクとかヴェノムとか、ライトなところだとマレフィセントもか)感情移入させられるように撮っていたと思う。結局ヴィランであることに変わりはないけれど、まともな人枠がいたり利害が一致していたり。
でもジョーカーにはそれがない。
彼の生い立ちやこれまでの生活、社会的な孤独だけを指して同情的だと言っているのかもしれないけど、人間的に感じられるのに感情移入はできないっていう点で主人公としてはかなり異質に思えた。もちろん感情移入する人もいるんだろうけど。
と、いうのも。彼の人生って特別悲惨なわけじゃないよね。その特別悲惨なわけではない境遇で、アーサーのようにジョーカーになるかならないかって結局本人次第なわけじゃない? 彼はたまたま拳銃を手にしたけど誰に唆されることもなかった。
けれど彼はジョーカーになる。そこは環境とかじゃなくて元々そういう素質なんだと思うの。
そう、これまでのヴィランの映画って、面白かったけどヴィランの映画じゃなかったよね!?(語彙力)
ヴィランだけどこの映画ではヒーロー的な立ち位置……って感じのばかりだったじゃん。これは、本当にヴィランが主役と言える初の映画なのかもしれない。
彼が始めた暴力が蔓延していき、ウェイン夫妻が例の被害に遭うシーン、できれば決定的な場面を映さない方が良かったな〜と思った(忍び寄る影のところで止めておけば良かったのに、と)けど、バットマンシリーズを観ていない人にはきちんと決定的なシーンが必要だよね。ここ親切だな……。
ラストでジョーカーと施設職員?が追いかけっこみたいなことしている場面がコメディちっくな撮られ方で、そこも良かった。
あと、だからなんだって話だけどエンドロールが短いような気がした。
ホアキン・フェニックスすごく背が高く見えるのに調べてみたら身長173cmしかなくてびっくりした。絶対190近くあると思ったのに……
えっすごく背高く見えない……!?
久々にパンフレット買おうかと思える作品だったんだけど帰りは売店に行列ができていたので断念した。地元の空いている映画館で買う。
(追記:買った。ジョーカー、この後ドルビーシネマで観て、もう1回普通に観ての計3回鑑賞したんだけど、どの場面も芸術的すぎて複数回鑑賞に耐える映画……こんなに何回も観たからには今年のベスト1だろうなあ)