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【映画感想】悪魔はいつもそこに - ミーハーの妄想みたいに豪華な俳優陣だけどストーリーと演出面がイマイチ

Netflixオリジナル映画。

トム・ホランド主演ということしか知らなかったけど、トムホ一強ではなく脇を固めるキャストもかなり豪華。ミステリーかな?と思っていたけどスリラー寄り。

あんまりこういう暗さの映画も、暴力主体の映画も好きじゃないけどな〜

何も考えず再生し始めると大体スリラーなの、なんでだろうね。

 

なかなか主役のはずのトムホが登場しないなと思っていたら成長した姿が登場するのがそもそも遅い。しかし子供時代のエピソードは全部重要なので仕方がないことだけれども。

 

宗教色というより、信仰のない人に心からの理解は難しい気がする。

私は多くの日本人の例に漏れず仏教神道のハイブリッドなので(神様仏様的な)無宗教ではないけど、習慣や文化以上の信仰心は持ち合わせていない。

だからクリミナル・マインドとか観ていてもカルト宗教団体が絡むような回の時はあまり面白いと思えない。

 

アーヴィンがレノーラをいじめる三人組に復讐するという直情的な方法しか採れないのは、父が復讐をするシーンを幼少期に見ていたからなんだよね。ウィラードにされた祈りの強要にしろ愛犬のアレにしろ復讐にしろ父自身の自殺にしろ……トラウマになっているはずなんだけど、ウィラードもまた戦時中に見た磔の兵士がトラウマになっている。そして最初は暴力が自衛というか、自分の平穏を守る手段に過ぎなかったはずが復讐の名のもとに他者を害するものになり、そのうち自分が平穏のために攻撃される側に転落してしまう。

 

レノーラはレノーラで母ヘレンのように、教会のおかしい人間に誑かされてしまう。

レノーラはアーヴィンのように物心ついたときの両親の記憶はないだろうから、これも血筋なのだろうか。

 

アーヴィンの話だけだったら、虐待の連鎖の話みたいな教育のまずさを感じるのだけど、レノーラのことがあるから両親(父親)の影響を受けても受けなくても無関係の人生を送ることができないということに悲劇性を感じる。

……っていうなんかそれっぽい感想は記事にするにあたって色々ぐちゃぐちゃ考えた末にやっと湧いた一文だったんだけど、キャストが豪華だとか、スパイディのイメージがつき過ぎているトムホの新境地だとかそんな話は一切抜きにして映画のストーリーにだけ着目すると、観賞後に抱いたのが

だから何っていう感想であったことは否めない。

なんか目新しくもなんともないの。

多少陳腐化されたテーマであっても心温まるストーリー……とかだったらスルッと受け入れられるけど、観ていて気持ちいいもんではなく、かといって心に爪痕を残すような強烈さはなく、ただじっとりとした暴力性で、「でもどっかで見たな」とさえ感じさせる新規性のなさ。観ていて気持ちの良いもんじゃないなら何か考えさせられるとか、観た後良くも悪くも心に残る何かがないと、道端で吐瀉物見ちゃったみたいな気分にしかならない。その時確かに「うわっ」と思っても3秒後には忘れているみたいな。

保安官セバスタとの対峙シーン、あれがクライマックスと言えるシーンなんだけど短いし盛り上がりに欠ける。ただこのシーンが短くて盛り上がりに欠けるのをリアリティととる人もいるかもしれない。

この映画、もし無名俳優で固められていたら最後まで再生したかどうかもわからない。いや、つまらなくはないんだけど。でもこの映画をとりあえず結末まで見守ろうと思わせるのはやはり豪華な俳優陣の力のような気がしてならない。

 

それに加えて犬が死ぬので割と観なきゃよかった部類の映画だった。

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