(原題:Paraormal Activity)
テキトーなあらすじ
ケイティは彼氏のミカと同棲を始めるが、怪奇現象と、人の話を聞かずにいついかなる時でもカメラを回し続けるミカにフラストレーションをためていく。
モキュメンタリーの手法が使われている割と有名なホラー映画。
の割にはまるで怖くない。
悪魔の正体が見えないという点で不気味さを演出することに成功しているようないないようなだが、とにかくカップルの喧嘩シーン(っていうかミカの無神経なシーン)が本当に恐怖を削ぐ。
ケイティが「カメラ回すのやめて」って言っても回し続けるし、「使わないで」って言われたなんちゃらボードを使おうとし、もうとにかく観ているこっちが「やめろ!!!!!」って叫びたくなるくらいケイティの意見全無視。ケイティと喧嘩しているシーンも「ケイティ……怒っているよね」とか言いながら撮り続ける。怖い。
「テレビが点いている!」って言いながらカメラ回してじっとしているシーンも「早く消せよ」って思った。
え、消さない? とりあえず夜起きてテレビがついていたら消さない?
っていうかVISITでも思ったことなんだけどこういうハンディカムを持って撮影するスタイルのホラー映画って基本的には難しいと思う。
だって本当に自分の身に危機が迫っている時にカメラでその対象を撮り続けようと思う?
カメラを回すっていうのはある程度余裕がある時の行為だと思うけど、そうじゃないならそれを撮らなければならない使命感に駆られているとか、怪奇雑誌の記者だとか、「こいつは絶対カメラを離さんな」と思わされる理由づけがないと厳しい。それにしても怒っているパートナーに堂々とカメラを向けるのは如何なる理由があろうと不自然だと思う。録画状態のままその辺に置いておくとか、いくらでも工夫のしようがあっただろうに。ベッドからいなくなった彼女を追うのにもわざわざカメラ持っていくし、生活の全てを写そうとしすぎ。
何故かこの手法の映画がホラーでは割とつくられているんだよな。
夜中、寝室を定点観測で撮り続けるシーンは悪魔の姿が見えないので多少は不気味さを感じる。
でもそれだけ。
そこは毎度短いし、昼になればミカがイライラさせてくるし(夜歩くケイティにカメラを向けながら「君はおかしい」とか言う。おかしいのはお前だ)、観るの辛いなと思っていたら最後はケイティがミカをぶっっ飛ばしてハッピーエンド。スカッとジャパン。いやアメリカ。
悪魔に取り憑かれて完全に理性を失ったというラストなんだろうけど、それまでさんざんミカのあの仕打ちを見ていたら自制心がなくなってミカをぶっ飛ばしてしまったのでは?と思ってしまう。無機物であるカメラに襲い掛かったのも生前(?)さんざん自分の意見を無視してミカが回し続けたこのカメラが憎かったからなのでは? 坊主憎けりゃなんとやらですよ。
怪奇現象の正体は悪魔なのに彼氏の方が怖い、そんな映画。
よく今まで誰にも殺されなかったな。