実はスポーツ漫画は「テニスの王子様」しか読んだことがない。
(ちはやふるからはスポーツ漫画の香りがするが……)
で、読んだことがない人にはネタバレで申し訳ないがテニプリというのは主人公の学校が全国制覇まで一直線でとにかく負けない。団体戦なので誰かは負けるが団体としては必ず勝って、中でも主人公のリョーマは相手が強豪の3年だろうと絶対負けない(新テニは知らん)。
それを特に不思議に思ったこともなかったが、スラムダンクを読んで、湘北VS海南で最後の最後あれほど競って負けた時は想像していなさすぎてさすがに泣いた。
ここで負けさせることができる作者がなんだかすごい。私が作者だったら多分勝たせてしまう。正直ここまでスラムダンクにそこまでのめりこめていなかった。洋平くんはいいやつだなとしか思っていなかった。正直三井の暴力事件もガチすぎて引いてたし加わるの!?とちょっと思った。
でもこの試合のあとからずっと熱い。そして多分ここで負けていなかったら、ここまでのめりこめていない……。
ゴリが一年の時からずっとIH出場を夢見ていたと語った言葉が花道の頭に残り続け、この言葉を海南との試合中何度も思い出す。
ゴリが怪我で抜けた時、「やっと掴んだチャンスなんだ」とマネージャーに言うのを外で聞いていた花道は「打倒海南!」と叫んでコートに戻る。泣。
ゴリがいない間点差を開かせまいとし、戻ってきた後も外してもきっとゴリがとると信じてフリースローを放つ。しかし大健闘していたのにパスミスで勝利を逃してしまう。花道はここで泣くし、ゴリは「泣くな」と言う。もちろん誰よりも花道がショックだったと思うけど、ここですぐさま慰められるゴリの精神が強い。後で慰めるにしてもとりあえず悔しがってしまいそうな気がする。花道はバスケを始めてそれほど経っていないのに、3年の先輩の全国制覇の夢を一緒に見ているのが熱い。
このパスミスを花道は「オレのせいで負けた」と気にするが、ハルコさんが
「昨日の試合はきっと一生忘れられないよ」
「バスケットマン桜木くんが初めてダンク決めた試合だもの」
「桜木選手 初めてダンクを決めたのはいつですか?」
「将来絶対聞かれるよ!」
私はハルコさんのことを特になんとも思っていなかったが一瞬にして好きになった。
そして陵南戦のあと全国出場が決まって、桜木が泣いているゴリの肩を抱いて「さあ整列だ」っていうのも良すぎる。
高校バスケ……に限らず部活ってすごい世界だなと思う。
特定の代だけすごくても次が続くかわからない。1年経ったら3年生は抜けてしまう。チームメイトに恵まれないのがあり得る世界……。
そして山王戦は……。
山王戦の後の展開をサッカーW杯の時、コスタリカに負けたニュースについていたリプで図らずも知った。とっくの昔に連載終了している名作漫画に対してネタバレだなんだと騒ぐつもりはないが、見開きの特大ネタバレはずっと頭を離れなかった。山王に勝つことも、その後は負けて全国制覇には至らないとわかっていても泣いてしまう。
山王戦はすごい戦いだしめっちゃ泣いたが、やはり負けで終わった海南戦が心に残っている。
湘北にはそのまま勝ち進んで海南とぶつかり勝ってほしかった。
負けっぱなしは悔しすぎる。あとさらっとゴリの推薦の話なくなってるの残酷すぎる。
っていうか連載当時誌面で読んでいたらそういう展開も期待しているだろうから、あのラスト寝込む気がする。
でもこれはこれで、ここで終わったから名作とも言えるのかもしれない。全国制覇してたら多分アメリカ編とかに突入して強さがインフレするだけだと思うので……
たった4ヶ月だから青春を感じる。
あとこれなんでこのご時世に電子書籍がないんだと思ってたんだよ。電子書籍にさえなっていれば今までに絶対読んでたのよ。でも買ってわかった。電子書籍にしない方がいい。見開きが多いし、単に2ページにまたがるコマも多いし、どこで読者がページを開くのか意識してるわ。ルミネの本屋で買えば5%オフなのでamazonとかで大人買いせずきりのいい巻数ずつちまちま数日にわたって買ったおかげでしばらく頭がスラムダンクになり仕事中涙ぐみかけるなどした。でも!!文庫にはなってもいいだろ!!新装再編とかじゃなくて文庫にしてくれ!!!!このコミックスの紙が劣化するのは嫌なんだ!!
1話まるまるカラーの話とかあるのでお金に余裕があったら完全版もありなのかもしれない。私は大きいと読みづらいので好きじゃないけど…
映画も観てきたけど映画も最高だったので感想記事書きます