月と星のエンタメ感想ブログ、

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【ゲーム感想】Ukraine War Stories - 子供が一番酷い目に遭う

steamで無料でできるウクライナ侵攻を題材としたノベルゲーム。日本人プレイヤーが一番多いらしい。

 

ホストメリ、ブチャ、マリウポリを舞台にそれぞれの市民の決断をする。

物資があったり精神状態がよければ、取れる選択肢が増える。

以下ネタバレ。とりあえず今からプレイするという方におすすめなのは素直に上から順にプレイすることで、間違っても私みたいにブチャを最後にまわすなよと言いたい。

それと暗い気持ちの時にやるなよと言いたい……

ホストメリ

侵攻が始まる直前の老夫婦……の夫側が主人公。隣人一家とともにホストメリ脱出の機会を窺う。主人公が絶望すると一家は町と運命を共にするが、医薬品がなくても怪我した人物が死ぬわけではなく、ガソリンはなくてもバスに乗れるし、3つ終わってみると一番平和なルート。

バスは老人・子供・女性が優先的に乗れるのだが、このグループは老人と女性しかいないのでみんな乗れる。オリハも最悪でも腕を失うにとどまり、ミレハも無事。ホラーだと慌てて脱出する人は餌食になるのだが助かってよかった

 

ブチャ

キーウに医者の母を残して疎開してきた姉弟……の弟側が主人公。世話役のカーチャとともにブチャで息を潜めて暮らす。

他の地域では避けられない犠牲もありつつ、基本的に主人公周りというのは生き残るのでこれもきっと姉弟両方が生き残る道もあるはずだと思って何周もしてしまった。ほぼ総当たりしたが姉が死ぬか弟が死ぬか、2人とも死ぬエンディングしかない。

 

ヤリクは姉を見捨てると生き残るが、強い罪悪感に苛まれる。姉を軍人とともに助けに行くと姉は助かるがヤリクは死ぬ。ひとりで助けに行くと2人とも死ぬ。

姉は命は助かっても心に深い傷を負う。しかしヤリクがその命と引き換えにしてくれたのだからと生きる努力をする(食べ物食べるとか)。

姉を見捨てたヤリクの罪悪感はいかばかりかと思うが、この選択肢が一番ありえそうで、一番とるべき選択のように思う。現実的には助けにいっても2人死ぬ可能性が高いだろう。っていうか私でもそうする。私だったらどんな条件が揃えば姉を助けに行くだろうか。

生き残った人たちがサバイバーズギルトに一番苦しめられそうなルートだ。

そしてキーウよりも安全だと信じてブチャに子供たちを送り出してしまった母の気持ち……。私は母はひょっとして避けられない犠牲者かもと思っていたので母は絶対生き残るのが意外だった。

 

他の地域では心理状態が悪くなると主人公は生きるのを諦めてしまうが、ヤリクたちは心理状態がどんなに悪くなっても死にはしない(エンディングにはならない)。

だからこそ、どんな結末になっても1回しかやらない派の人でも片方の死は見てしまう。あるいは両方かも……。

 

マリウポリ

主人公は医者で、同居人のアーニャと父を失った子供ダーニャが周辺人物。

物資調達係のオレフが避けられない犠牲だが、主要人物は全員助かる。助かるどころか選択によってはアーニャにはプロポーズまでする。院内の物資や救助状況にも気を配らなければならないが、パラメータの増減が見えるし、難しくはない。

ダーニャが孤児にならなくてよかった(もちろん孤児になる選択もある)。

よほどのことがない限り最悪の結末を迎えにくい地域。

 

3地域の生き残った人物たちは、作中の危機を乗り越えたあと、とりあえず安全な状態になる。しかしブチャの2人の精神状態はまったく無事ではない。特にヤリクみたいな……見捨ててしまった側の人に支援はあるのだろうか。