何が上演されているのかとか、何も知らない頃の”ブロードウェイミュージカル”のイメージがまさにこれ。
ギラギラのグリッタードレスに身を包んだシンガーが歌いまくって、とにかく派手な演出のイメージ。
ミュージカルの映画化なので演出も舞台的で喋ってるシーンより歌っているシーンの方が多いのが良かった! セリフ多いミュージカルは飽きてしまうので……。
現在見放題です。
(原題:CHICAGO)
テキトーなあらすじ
売れないコーラスガールのロキシー・ハート(レネー・ゼルウィガー)はマネージャーに口利きすると嘘をついた浮気相手を射殺して刑務所に送られる。
この映画は全てが舞台上のことのように進行する(観客が映るシーンもあり、かなり舞台的)。ヴェルマとロキシーを弁護する弁護士のビリーは裁判をショー・ビジネスだと語り、女囚が絞首刑になるシーンでも”蒸発マジック”になぞらえた演出がある。
オペラ座の怪人だと映画におけるオペラ座の観客は、舞台では舞台を観に来ている観客で、カルロッタの声がカエルのようになるところで笑い声をあげるのも観客だった。
この舞台と客席が一体となって一作品と言う感覚がすごく好きなんだけど、シカゴの舞台版でも観客は”蒸発マジック”の時に拍手するのかな。
観に行きたい! 舞台を!!
もっと早めに出所して舞台が劇場になるんだとばかり思っていたけど、最後までずっと舞台は刑務所でしたね。でもその刑務所にいても劇場内みたいな演出がところどころにあるので決して地味ではない。
一番好きなのはロキシーの記者会見をビリーが腹話術で受け答えするWe both reached for the gunのシーン。ロキシーが本当に人形みたいで可愛い。
ロキシーを操りつつ、同時にメディアをも思うがままに動かしていることがよくわかるシーン。ここも人形劇みたいで可愛い演出!
映画の中盤でちょっと目立つ新人殺人犯が出てくると今までロキシーロキシーと騒いでいたのが急にキティに注目するようになり、かと思えばロキシーの妊娠騒ぎにまた注目し、ロキシーが無罪を勝ち取った瞬間に新しい殺人が起きるとまたそちらの方を追い始める。
メディアは今も昔も移り気〜。
今はメディアより大衆の方が移り気かもしれないくらいだけど。
でも次々と新しいニュースに飛びつかないとならないのも大変だな……。
一番美味しい思いしているのはママことモートン看守とビリー弁護士。
でもロキシーもそのままだったら売れないコーラスガールのままだっただろうし、憧れのヴェルマの隣で歌えるまでになったのだからロキシー的にもハッピーエンドか。
一番哀れなのはエイモスかな。
この映画特に悪い人はいないので(そもそも主役が殺人犯なのに悪い人がいないって言うのもおかしな話だけど。ムカつくやつ、的な意味で笑)スッキリ楽しいミュージカル。切なくもなければハラハラしたりすることも特にない、ただ娯楽〜〜〜って感じの観るアルコール的な映画。
これもそのうち舞台で観たい。