Netflixで公開されている映画。
(英題:Time to Hunt)
テキトーなあらすじ
刑務所から帰ってきたジュンソクは友達と賭博場の金を盗み、成功するが謎の男ハンに追われるようになる。
一瞬「昔の話? それにしてはギフンの髪型今風だな」と思いきや、ディストピアなので近未来のよう。
ウォンの価値が暴落してドル取引が主流になっていたり、銃の売買が行われていたりする世界。ジュンソクが刑務所に入ることになった原因の犯罪でできたお金も紙屑同然に。
ジュンソクは失うものはないし、警察に手出しできない賭博場の金を盗もうと言い出し、不慣れながらなんとか金を持ち出すことに成功して……。
ここの浮かれっぷりがよかった。
素人のクライム映画、犯罪成功したな!バンザイ!ってなってから転がり落ちていくところをどう面白く描くかだと思うんだけど、なぜか主人公グループを追うのが何の因縁もないように見える男なので、頭の中をクエスチョンマークが飛び交ってしまう。
ハンの事情は結局最後までわからない。
それは狩られる側にとって知り得ないことだから敢えて描かなかったのかもしれないし、正体不明の不気味さを出すためにも描かなかったのかもしれないけど、結果として視聴後のモヤモヤ感が大きくなってしまった気がする。
自分を脅かすものの正体がわからない恐怖っていうのはあると思っていて、それを薄れさせないために敢えてハンのことを詳しく描かなかったならそれもわかるけど、「正体わからない」ってほどわからなくもないので(後述駐車場のシーンで、「主人公を狙っているのはこいつなんだ」って明確にわかって顔も見て声も聞いてしまう以上)そこまできたなら教えてくれ〜と言いたい。
電話をかけるシーン(伝われ)とか駐車場でライトがどんどん消えていくシーンとかは不気味で怖くてよかった。「何? 何?」っていう敵が見えない戸惑い。
この駐車場のシーンでもう主人公たち終わったなっていうシーンがあるんだけど、そこでハンがなぜか見逃すので(「5分で逃げてみろ」とかいう……)ちょっと冷めてしまった。
この逃れようがないはずの危機を敵側の気分によって逃れてしまうのがな〜
あとこの映画で、主人公たちは私が当初想像したよりずっと仲がいいというか、しっかりした友情で結ばれていたんだなというのをエンドロールになってやっと思い知るくらい、いまいち主人公たちの関係性が見えてこない。なんとなく犯罪仲間というか、腐れ縁というか、仲悪くもないけど良くもないように見えていた……。
近未来という設定だけど、私たちとほとんど変わらないような文明レベル(なんか私たちが知らない機械とか出てこない。通信デバイススマホだし)なので、よりいっそう身近で、ディストピアなのにリアリティのない感じはしないのが良かった……って褒めたい気持ちと「韓国を舞台にして堂々銃撃戦するためだけの近未来設定かな?」という気持ちがぶつかりあっている。
これは完全に私の事情なんだけど主人公たちギフン以外の区別がなかなかつかなかった……