TVシリーズでも好きだった「だから私のためにいてほしい」演出そのままですごくよかった。
「陽毬のために生きる」自己犠牲と桃果が言った「私のために生きて」っていうエゴ(そして口にしたかはわからないが苹果の晶馬たちへの思い、私のためにいてほしい)……両者は似てるようで違う。
TVシリーズと結構違うなと感じたのが真砂子。死なない男の話がまるっとカットされているのはもちろんだが、TVシリーズでは真砂子が高倉家に乗り込んでいたのに対し、映画では陽毬が夏芽家に乗り込んで真砂子と対峙している。TVシリーズでも陽毬は冠葉の計画を止めようとしていたけど、こういうところで映画の陽毬の方がより行動的な印象を受けたかな……。
プリンチュペンギンの正体は眞悧だった。何度でも邪魔をする眞悧を桃果がぶっ飛ばす。
っていうか眞悧は出番が減った気がする。減ってない??
その分メイン組に焦点があたっているのかな……。
きっとTVシリーズにもあった演出だと思うが、冠葉が晶馬に与えた運命の果実、晶馬は陽毬に与えて、陽毬は再び冠葉のもとにそれを持ってきた。それで”輪る”ピングドラムか……って納得がいったんだけど、TVシリーズ観ててもわかるはずだった部分なのに、私がいかにTVシリーズをぼけっと観ていたのか……。
きっと運命乗り換え後の世界にこどもブロイラーはないんだろう。
TVシリーズより希望を強く感じさせるラストの演出だったが、それはそれとしてTVシリーズと結末がほぼ変わらなかったのでちょっと期待はずれではあった。10年以上前に終わったアニメに新たな動きがあったことは純粋によかったけれども。こういうアニメの映画化が前編は9割総集編なのはあるあるだと前回書いたけど、さすがに後編も9割総集編だとは思わなかったんだよな……。
前編にも言えることだが、何にも邪魔されない空間でピンドラの世界に集中して入り込めるという点では映画館というところはすごくいいんだけど、ピンドラって大画面映えする感じの絵ではないので、なんとなくチープさがあった気はする……。
私はもともとアニメを映画館で観る意味あんのかと思うタイプなので余計そう思うのかもしれない。