月と星のエンタメ感想ブログ、

映画、本、漫画、ゲーム、イベントetc、いろいろなものの感想を書いていきます。役立つ情報はありません

【アフタヌーンティー】ハイティー、ル・ジャルダン@椿山荘

ハイティーとは夕方から夜にかけての食事を兼ねたお茶のことをさしていてアフタヌーンティーの夜verみたいなもののこと。

 

アフタヌーンティーに行くつもりだったんだけど日中の都合がつかずに夜になった。

メンツは前回の帝国ホテルと同じ。

 

entamestar.hatenablog.com

 

今度は椿山荘の庭でも見ましょうという話になっていたのに夜なので庭は……

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3段オードブル

ニコラ・フィアットというシャンパンもついた。シャンパンがすごく美味しかった!オードブルも美味しかったけど、サーモンクリームのシューだけは受け付けない味だったな……。茸のマリネが好き

 

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ローストビーフ

お次はステーキかと思うような分厚さのローストビーフ

塩、ソース、わさびが用意されていた。塩が美味しかったな。最近歳のせいか許容できる肉の量が少ないのだけど、これはあっさりしていたので余裕で食べきることができた。 

 

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イングリッシュ・ブレックファストと苺とピスタチオのタルト

タルトも美味しいけど上に乗ってるチョコレートもすごく美味しい!紅茶は普通。どこのだか知らないけど、マリアージュフレールの方が美味しい……。このケーキにはもっと美味しい紅茶を合わせたい。 

 

カップノリタケの花更紗。仕方のないこととは言え、金彩の剥げが目立っていたせいで生活感あって残念。皿はともかく飲み口のは気になるんだよ……。

 

とは言っても小花柄あまり好きじゃないからこんなこと思うのかもしれない。ワイルドストロベリーも値段一発でバレる代物だし金彩もあるけど、それで出てきても「素敵」って思う気がする。値段は2倍違うけど。

 

 

トイレは椿山荘の方が綺麗だった。

【ドラマ感想】クリスティンの奇妙なお菓子教室 - ダークでメルヘンなキャラクターたち

Netflixオリジナル。

(原題:The Curious Creations of Christine McConnell)

テキトーなあらすじ

クリスティンが同居してるクリーチャーとイベントごとにお菓子を作る

 

ドラマと言って差し支えないよね……?

もっとお料理番組仕立てかと思いましたがほとんどはドラマパートで、多分そんじょそこらの人間にはこの内容を再現できないだろうと思われるレシピの数々。

ガッツのある人が、ハロウィンにだけやるならまぁいいかもね……。

お菓子作りに工具と時間を使いまくる番組なので笑

 

私の推しはランケル笑

クリスティン・マコーネルは作中の名前ではなく、この人自身がアーティストで、彼女をフィーチャーした番組。お菓子だけでなく服を作るシーンもある。服がいつも可愛い…基本的にはフィット&フレアのドレスが多いんだけど、どれもキュート……!

 

クリスティンを中心に、家にいるクリーチャーたちが憎まれ口を叩きあったり、ときどき放火魔のいとこ・エヴリンや一見優しげだが殺人鬼の恋人・ノーマンが訪ねてくる。クリスティンにはぶっ飛んだ設定がついていないけれど、この中で終始穏やかなのでクリスティンも到底普通だとは思えない雰囲気を持っている。小さなことは気にしない性格というか。

 

 

6話しかなくて1つのエピソードが30分にも満たないのでサクッと観られるし、お菓子とはいえ食べ物には見えないから飯テロにならない。深夜に観てもダイエット中でも大丈夫!

私はワークアウトしながら観てた。

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【漫画感想】黒執事 1〜28巻 - ちょっとティーカップの話をさせてくれ

面白かった。

 

この間映画観てから読もう読もうと思っていたけど電子書籍がないもんだからこんなに遅れてしまった。レンタル。電子書籍ならバーっと買って読んだものを……30冊近い量を家まで持って帰るのは大変だった(ねちねち)。

 

最近どうなってるのかなと思ってツイッターで検索したのでシエルが双子というところは知った状態でまた1巻から読んだの。

 

双子ってことを隠しつつ、ちゃんと伏線張ってある……!!

これ検索結果で見たとき後付けくさいなあって思ったんだよね。すみませんでした。

だって一番大切な過去の部分を後付けにするのはリスキーなこととはいえ、いつ打ち切られるかわからないんだから話は単純にしておいた方がよくない?

 

それを意識しつつ見ると船で咳した後エリザベスに対してごまかしていたのが心配させたくなかったからではないということが納得がいく。

すごいなって思うのがイースター回のような息抜きっぽいところでも話に組み込まれていること。エリザベスが強い違和感を抱くのはここだよね。

 

ところでAtlanticで私がびっくりしていたエドワードお兄様がエリザベスに嫉妬しないでいられることが”才能”と言われてて安心した。やっぱ普通じゃないよね!

私は最新刊でのエリザベスが本当に好き……たくさん苦しんで強く生きてほしい……。

 

絵のアングル、構成がすごくいい〜!

寄宿舎学校に入学する時握手するところが下からなの。普通下からにする!?

でも下からなのが綺麗!

あとMurderのも、時間が巻き戻って回想という描写はアニメのものかと思いきや漫画でもカップを使って巻き戻るという表現を使ってる。すごい……回想シーンなんて普通に挿入すればいいだけのところなのにこうしているところがすごい……。

普通の回想シーンもタイミングが絶妙。

ストーリー以前にこういうところが面白かった。

 

ストーリーもある程度の区切りを持って話の方向性が変わるので「この話イマイチだなぁ」と思っても次の話は面白いな、っていうのがあるので飽きにくい!

 

 

ところで私、ささやかな趣味として磁器が好きなの。

どっかのページで女王が使ってるのってウェッジウッドのアストバリーでは?!?!

柄は内外逆だけどそっくりなんだよね……柄は、いろんな窯がそれぞれ影響しあってるので、柄だけ見てこの窯だとかは言えないことが多いけど、これは似ている、気がする……。

全く同じなわけではないものの、「参考にしている」程度の窯があるはずだと思うんだよね…。

女王が使ってるものってミントンを想像してしまうけどミントンでこんなの出してたかな……ハドンホール以外のミントンを本でしか見た事ないからな…。イギリスの窯以外の可能性もあるかな?

 

これ誰かが言及していないかなあ、と思って「黒執事 ウェッジウッド」で検索してみたら、ウェッジウッドは映画の方に協力していたみたい。

で、映画に出てくるものと同じウェアで提供されるティーがあったらしく、「えっっコロンビアパウダールビー(※高い)で……?!」と思ったけど、フロレンティーターコイズというまぁ言ってしまえば普通に手が届くラインだった。横浜中華街の聘珍楼でもみたことがある。なんかあそこはそこに食事をのせるわけでもないのにテーブルに案内されたときにはウェッジウッドのウェアが並んでるんだよね。シリーズはランダムだけど。

映画にはコロンビアパウダールビーとコロンビアセージグリーン、フロレンティーターコイズが出てくるそう。ちなみにフロレンティーターコイズがこの中で最も安価なシリーズ。

もちろんフロレンティーターコイズも素敵だけど、せっかく手にできる機会ならもっと高いやつ使いたい……(※どちらにしろもう終わってる)。

 

ちなみに映画というワードを除いてもう一度検索したけど女王が使ってる茶器について言及されているページはざっとみた限りなかった。私ももう一度確認したいけど、どこに出てきたか忘れた……。

 

ティーカップといえば、ブラバットが占いに使ってるカップはフォーチュンカップといって紅茶占いに使うやつなんだけど、これを漫画で描いてる人初めて見た!

文字を見る限りパラゴン?って思うけど、あんまりフォーチュンカップを見た事ないから他にもこういう文字使ってる窯はあるかも。っていうか星座モチーフのってアンティークショップでも見たことない。

紅茶占いに使うカップって、実用目的じゃないから?か、磁器の本にも載ってないことが多いんだよね。テーブルウェアの本ではまず見ないもので、アンティークの本とか見るとたまに載ってるかなぁ、くらい。しかも割かれているページ数が少ない。

しかし、こういう本に偉そうに載ってるカップは有名窯のものなので、占いが普及してた時期には、もっと色んな窯から出ていたものなのかもしれない。

 

 

……っていうことをごちゃごちゃ考えるのが楽しかった。

 

 

【映画感想】KING OF PRISM by PrettyRhythm - これがあの、健康にいいっていう……?

キンプリで検索するとこれとジャニーズが出てきてめちゃくちゃ紛らわしい

 

テキトーなあらすじ

プリズムショーを観に来た少年・シンが自分もその世界に飛び込むことになる

 

 

2年前にすっごいブームになりましたよね。応援上映で。まあこれ応援上映で観たらそこそこいいのかなぁ……。

いや、そうだ、これ観るものじゃなくて浴びるものらしいんだよね一説によると。

浴びると癒されるとか健康になるとか色々効能のあるものらしいんだけど。

なんというかそのぉ〜プリズムは13インチのディスプレイからでは浴びれないものなのかもしれないなって……(オブラート)

 

面白くなかった、という表現は適切じゃない。

理解できませんでした。考えるな!感じろ!と思ったんだけどなんか……

面白いのか面白くないのかさえ判別できない。

そもそもキャラクターがいっぱい出てきて誰が誰でどんな立ち位置の人でどこのグループの人だとかもう何もわからない……。たった1時間に把握できる許容量超えてた。

 

これ、公式サイトのSTORY冒頭にきちんと書いてあるんだけど、

女児向けアーケード原作のアニメ「プリティーリズム」の新シリーズ「プリパラ」に出てくる女の子たちを陰で支えてきた少年たちのサイドストーリーが劇場版になって帰ってきた

……っていう内容らしい

この内容で大ヒットするキンプリすごくない?

つまり、多分だけどそこまで一見さんに向けた内容じゃないと思うんだよね…

あそこまでヒットしたからには(興行収入、3000万という見込みに対して7億だって!)一見さんだって絶対いるはずなんだけど、その一見さんに夢中にさせるキンプリすごい。私は……なんで理解できなかったんだろう。

私にはファルシのルシがコクーンでパージって言われてるくらいわけわからなかった。

 

心に残ったのは、稼げないことは万死に値する罪悪ってセリフかな。

 

でも観てよかった。

「これがあの、何人もの観客を熱狂させたキンプリってやつなのですか」って博物館で展示物を見ているような気持ちになったし、その熱狂に乗れないとしても熱狂を目の当たりにしながら乗れない自分に困惑するのも楽しくないわけじゃないしね。もちろん魅力が分かれば一番なんだけど、困惑度合いがハンパなかったのでこれはこれで面白い経験だった。

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【映画感想】ネオン・デーモン - 美にどれだけ執着できるか

 (原題:The Neon Demon)

テキトーなあらすじ

野心的な新人モデルのジェシーエル・ファニング)は成功を手にするが、先輩モデルの嫉妬を買う。

 

演出がいい!!

バッチバチのネオン、何かがうごめく暗闇、かと思えば曇りのない白、日常的で自然な街並み、そしてカメラの眩いフラッシュ。

そしてピリッとした緊張感のある無音のシーンとうるさいほどの音楽のコントラスト。

こういう演出、苦手な人もいるかもしれないけど私は大好きなんだよね〜〜最高の演出だよ〜〜〜

 

そしてもちろんファッション業界にあるからファッションもおしゃれ。服もメイクも完璧。

それらが映像と音楽に引き立てられてより一層おしゃれに見える。LAの風景もいちいち綺麗。

 

エル・ファニングも本当にいい。エル・ファニングを見たのは「マレフィセント」でのオーロラ役だけだったから、純朴なイメージがあるけど、そのイメージが保たれているからこそジェシーの役ができるんだと思う。

純朴なジェシーが業界の狂気にあてられるのではなく、ジェシーの「純粋に見える」という皮が剥がされるというだけだから。

 

ところでエル・ファニングってヌードNGなのかな……?

脱ぐシーンでこんなにも首から上をアップにするのは不自然じゃない?

 

 

ジェシーは細くて若くて綺麗なだけじゃない、光る何かを持っていた。でも、これだけの素質を持っていてもジェシーは競争に勝てなかった。

ジジとサラがジェシーを殺したのは嫉妬だったと思うけど、その死体を体内に取り込もうと思うことが美への渇望だと思う。この美しさを取り入れたいっていう。美に対して一番なりふり構っていないように見えたジジがこの行いを許容できず割腹したのに対して、サラはジジが吐き出したものすら呑み込む。

ネオン・デーモンというタイトルが何を指しているのかはともかく、この3人とも内側にデーモンの素質みたいなのを秘めているのは間違い無いと思う。ジェシーはルビーたちに殺されずともいずれ破綻していただろう。そのデーモンを飼いならして生きていける人なのはジェシーでもジジでもなくサラだった。

 

 

いや〜〜演出勝ちだわ……後半ちょっとダレる以外は何もかも良かった。

これくらいのことを、私は累-かさね-にも求めていたんだよね…高望みすぎるか。

シンプル・フェイバーといい、こういうおしゃれスリラーみたいなのすごくいいわ。

 

……というわけで私はこの映画すごく良かったんだけど、Rotten Tomatoesでは

見事に腐っている。批評家からも観客からも評価は低め。なんでえ?!

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【ドラマ感想】Suburra-暗黒街- - 若いギャング3人の青春と陰謀と…

Netflixオリジナルドラマで、映画「暗黒街」の前日譚にあたるストーリーなのだとか(暗黒街観てない)。

でも映画と辻褄合わない点もあるみたいなので、あんまり気にしなくていいのかな?

 

イタリア語で「クソッ」はcazzoということをこのドラマで学んだ(余計なこと)

 

 

テキトーなあらすじ

アダミファミリーのボスの息子アウレリアーノとロマのギャング・アナクレティのボスの弟スパディーノ、警官の息子ガブリエレ(レレ)はそれぞれ違う境遇ながらある目的のために共謀したりしなかったり

 

 

これ、特に評判とか聞かないけどすごく面白いので観てほしい。

1話目は怒涛の登場人物の背景がさっくり描かれるもどこへ向かってんだかわからないし土地の利害関係もイマイチ把握できなかったのでまあ面白くないんだけど、1話目のラストで3人が共謀して司教を脅迫し始めるあたりから一気に面白い。

この3人がメインではあるのですが、政治家や枢機卿の思惑も関わってくる。

 

ギャングにしろマフィアにしろ、裏社会にイケメンっていなくない?

まぁドンとか描くとやっぱりそれなりに年食ったおっさんじゃないと説得力ないと言うか貫禄ないから仕方ないけど(意外とアンダーボスは若いよなって書こうとしたけどそれはゴッドファーザーのイメージかな…?)、ギャングものには若い男が足りない。

ギャングものを観たいという欲と若くて素敵なグッドルッキングガイを見たいという欲、どちらもいっぺんに満たせるのがこのSuburra-暗黒街-(どういう紹介だ)。でもほんとに、ギャングものに興味がない女子もホイホイされること間違いなしなの……!

 

ギャングって書いたけどイタリアだからアダミはマフィアでアナクレティの方がギャング??って感じだっけ??

 

私のイチオシはアウレリアーノなんだけど、彼は長身で碧眼でイケメンだし躊躇いなく人を殺すが犬は可愛がっているのでいい人。彼はボスの息子だけどボスが後継者にしたいと考えていたのは姉の方なので、ファミリーの中で立場の強い方ではない。

 

スパディーノは一番ヤバイやつっぽい見た目だけど見た目ほどヤバイ奴でもなくて、アンジェリカという可愛い婚約者(ヤンキーファッション)がいる。でも彼はゲイなので、この結婚に乗り気ではない。なぜ結婚しなくてはならないのかと言うとファミリーのつながりのため。彼は自分がゲイであることはもちろん隠している。強く生きてほしい。多分最初から一番変化しているのは彼なんじゃないかな。

 

レレはレレで一番地味で大学生だし父は警官だから「YOUは何しにこの世界へ?」って感じの人なんだけど、借金をチャラにするためにアダミファミリーのボス(アウレリアーノの父)を殺しており、サムライというローマ一番の権力者に利用されている。

 

このサムライというのがローマの裏社会の有力者で、誰も彼に頭が上がらない。

なんだけど結構この人はあちこちうろうろしているので、どこかにとどまっているわけではなく、あらゆるところに現れる。

  

この若い3人の関係性がよくて、アウレリアーノはスパディーノのいとこ・ボリスを殺しているのでアナクレティからは睨まれており、レレはアウレリアーノの父を殺しているもののそれはアウレリアーノにはバレていなくて、レレの父はアウレリアーノに殺されます。で、スパディーノはアウレリアーノのことが好きなの。めっちゃよくない? で、この3人は時として共謀するけど立場の違いから敵になることもある。

めっちゃよくない!?!?

シーズン1のアウレリアーノには惚れる…何か問題が起きても大体解決してくれるし(殺してだけど)

ちなみに上記の関係性はシーズン1の話なので2になる頃にはまたちょっと事情が変わっている。

 

残念なのはアウレリアーノがシーズン2でイメチェンすること。髭剃ってほしい。

シーズン2では少し新キャラ出てくるんだけど、私はシーズン1の方が好きだったかな……

でも、アンジェリカが逞しくなっててびっくり。

シーズン1の頃は結婚に夢を持っているただのボンボンかと思っていたのに、スパディーノの理解者になっていく。

 

シーズン1の頃、毎回冒頭で各回ラストに近いシーンが映し出され、イントロを挟んで「前日」になるっていうスタイルだった。あれが良かったのになぜかシーズン2でそれが踏襲されていない。なぜ。

 

 

私もなんでこれを再生し始めたのか不思議なくらい、周りでの評価も聞かないし多分Netflixの目立つところにもきていない地味ドラマなんだけどRotten  Tomatoesで評価100%なので。

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【映画感想】累-かさね- - 原作を惨殺

テキトーなあらすじ

かさねは母の形見である口紅を使って、ニナの顔で舞台に立つ。

 

観た後冷静になるのに時間を要した映画でした。

いや〜〜〜〜これは脚本と演出とキャスティングがまずいわ。

世間の評価は割といいみたいなんだけどね…

主演の演技力はともかく、この演技の方向性でGOを出したってことが気になる。

わかりやすい演技かも知れないけど、わかりやすい演技をこの作品でしたらだめだと思う。真実をより真実らしく見せる虚構の物語なのに、演技が全部嘘くさくて見てられない。

 

できればかさね役は、柴咲コウみたいな目力すごい人をあててほしかった。

 

entamestar.hatenablog.com

 

 

私原作すごく好きで大絶賛しているので、評価は超辛口。

やっぱり原作が好きなら実写映画なんて観ちゃいけないんだ…

 

気になっていることはまだまだたくさんあるんだけどきりがないので特に気になった部分を。

 

まずこの映画は2時間弱で、丹沢ニナとの出会い〜サロメ公演までを描いているけどサロメ部分はかなりオリジナル。この後半に、原作での後半部分の要素を盛り込んだお陰で「過程をすっぽかしたせいで深みのない結末」に陥っていると感じた。でもいい演出もある。後半には。前半は地獄。烏合がただの陰キャになってて、その演技でいいのはオーディションだけでしょと言いたかった。

 

まず原作では最初の舞台でニナは主役でもないのに主役の存在感を食うほどの美貌の持ち主だし、かさねはかさねで見た人が生理的な嫌悪感から顔を歪めるほどの醜い顔。映画だとニナはそこまでの美人に描かれていないし(華があるって一言言われるだけ)、かさねは初対面のニナに「うーわっ」とかいう軽い一言で終わらせられるくらいの顔。この軽さに一番失望したかな。もっと直視に耐えないもののはずなのに。

そしてそもそも「今夜は悲しい知らせがある」って主役のセリフじゃないから。

 

そしてかさねの顔のニナが堂々としすぎ。かさねの顔は、自分のものではないとしても顔を晒して歩けないほど屈辱的なもの。それなのに平気で顔を晒して背筋を伸ばして歩き、かさねの劣等感なんて理解できていないだろうと思う。かさねも、ニナの顔になってもおどおどした様子が消えず、オーディションに至っても背中を丸めて入ってくる。

こんな状態のかさねを、ニナがオーディションの段階とはいえ烏合さんの前に出すはずがない。そしてかさねは自分の演技が失敗したかもなんて心配はしないし最初からニナに対してももっと強気だし(利用し合う関係だから)ニナがかさねに演技指導なんてぜえっっっっっったいにしない。

っていうかヘアメイクが悪いの…?!なんでどっちも髪の毛ボサボサなの…?かさねはともかくニナは絶対髪にも気を遣っているはず。その美貌は烏合さんに褒められたものなんだから。

 

そんな感じで、映画冒頭の状態に至るまでのかさねとニナを知っていれば絶対こうはしないでしょう、という演出がすごく多い。じゃあ原作知らない人向けなのかというと、原作知らない人がかさねとニナの取引に納得できると思えない。この映画にかさねの演技への執着は描かれていないから。

 

割と良かったのは羽生田釿吾。これも原作未見の人には得体の知れない男かも知れないけど、違和感のない存在だった。

安心したのはヨカナーン役が雨野さんだという設定ではなさそうだったこと。演出も冨士原だったし。

 

この時ヨカナーンの首を抱くシーン、何回か入るのですが、藤原が「君が抱いているのは殺してまで欲しかった男の首だ」と言う。それを想像しろ、と。かさねはヨカナーンの首に、自宅で寝ているニナを重ねてみる。この演出は本当に良かった。

 

 

これ観るくらいなら原作読んでほしい。

原作は傑作だし、かさねの執念が嫌ってほど描かれているから。

 

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