月と星のエンタメ感想ブログ、

映画、本、漫画、ゲーム、イベントetc、いろいろなものの感想を書いていきます。役立つ情報はありません

【映画感想】キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン - 冗長ではないけどやっぱ長い200分

200分超の長丁場!

正直ずっと集中して観ていられたかと問われるとかなり怪しいし体感としても普通に長いのだが、冗長という印象ではなく、むしろこの物語を200分に凝縮しても駆け足に思えてしまう。というわけで「ここは目を離してもいいだろう」と思える瞬間が特にない。次の瞬間には何か重要なシーンかもしれないという不安を抱えつつダッシュでトイレに行くハメになる。

 

面白かったかと言われると正直微妙だがこれを配信でみたら途中で目を離しまくって意味がわからなくなると思うので興味あるなら劇場で観るのが正解かも。

 

(原題:Killers of the Flower Moon)

テキトーなあらすじ

アーネストはオセージ・ヒルズの有力者であるヘイルを頼ってオクラホマにやってきた。そこでオイルマネーにより一躍裕福になったオセージ族の女性モリーと結婚する。ヘイルはモリーと結婚したアーネストを利用し、受益権を分つ可能性のある人物(モリーの姉妹とか)を殺していく陰謀を企てる。

 

アーネストはアーネストでお金大好きなのだが、ヘイルと違って長い目で見ないので小銭のために危険を犯したびたびヘイルに怒られる。

アーネストはヘイルの命令に忠実に従いはするが、ヘイルほどお金だけに強い執着を向けきれていない。モリーと彼女にできた子供を愛しているからだ。

もともとオセージ族の殺害は頻発していたが、捜査はされていなかった。

 

たびたび過程が飛ばされているのでは?と感じる部分があり、何がどうなっているのか全体像が掴みづらい。

私の理解力が乏しいだけで「は? 分かるわ」と思う方がいたら申し訳ないのだが、おそらくアーネストも陰謀の全体像はわかっていないと思う。アーネストがわかっていないから観客にもわからなくて問題ないように撮っているんじゃないかな(多分)。

途中まで私の理解力がないだけかもと思っていたが、モリーが最終盤で、自分に何を投与していたのかと尋ねアーネストがしどろもどろになりながらインスリンだと答えるシーンで「あ、全体像がわからないのは意図的なのかも」と思った。

実際はナレーションで明かされる通り毒だったのだが、毒のことをどこまでアーネストが知っていたかは怪しいと思う。ヘイルがアーネストに毒を投与してモリーの死を早めろと指示するシーンはない(途中トイレに行ったからその間にあったらごめん)。でもアーネストはモリーに投与しているものがインスリンではない(インスリンだけではない)ことにはうすうす察しがついていたはず。毒が入っていることを確実に知りながら投与していればあの時すぐに嘘をつけたはずだと思う。多分。

 

アーネストが他の人の殺人計画に関与(だれがどんなふうに殺すのか)していたのかは明かされているのに、モリーのことだけ有耶無耶になっているのにはやはり意図を感じる。

 

モリーのことも愛していてもヘイルの命令には従うし捜査官の司法取引に応じ、ヘイルの弁護士にやり込められ、リトル・アナの死をきっかけに再びヘイルを裏切るなど、アーネストはその場その場で考えを変える。ヘイルのような極悪人ではないが明らかに善人ではない。

タチ悪いけどこういう人の方が多いだろうしちょっと憎めない部分もあったりなかったり……いや、ないか。

ありふれたタイプの悪役というリアリティを持ってはいるが、ポリシーある悪役の方がエンタメ性高いんだけどな……。

 

ところで石油ってほんとにメントスコーラみたいな感じで吹き出すものなの? 演出?

にほんブログ村